BIOGRAPHY+++
ANDY BERRY

今回、OMNI-TVの新番組に使用されるセット・装飾を全て手掛ける、若き敏腕アート・ディレクター。ディレクターとして現場で指揮を執るとともに、自ら設立したセット美術会社『Artquake』の代表も務めるという、青年実業としての顔も持つ。
 

PROGRAM+++
METROPIA-メトロピア

OMNI-TVが万を辞して贈る、今年秋の目玉ドラマ。舞台は現代のトロント。大企業により改装された古い産業ビルに住む、若いアーティスト達が繰り広げる物語。カナダ、トロントの多国籍文化を反映したキャスティングに注目が集まっている。

OMNI-2月曜日から金曜日の毎晩22:30より放送中。また、毎週日曜日21:00よりOMNI-1にて総集編がOn Air!

公式サイト Metropia


この秋、トロントのマルチカルチュアルテレビ局、OMNIから放送予定の新ドラマのセットを、トロント在住の日本人アーティストtomolennon(トモレノン)氏の作品が彩ることになった。
自身の子供である作品を見舞うため撮影現場を訪れたtomolennon氏と、彼の作品に魅了されたアート・ディレクター、Andy Berry(アンディ・ベリー)氏がアートにかける情熱を語り合った。

tomolennon(以下:T) 初めてテレビドラマのセットを見たけど、このセット、いいね。住みたいぐらいだよ。凄くよく造り込んであるね。

Andy(以下:A) そうだろ。何しろ、OMNIが7年振りに撮影するドラマなんだ。気合いの入り具合が違うよ。

T
 7年の構想の末に作られた番組?(笑)じゃあ、ビッグヒット間違いなしだね。アートが番組のテーマになってると聞いたけど?

A
 このドラマでは、アーティストとしての成功を目指す、地元トロントの若者達が主人公なんだ。実際のトロントと同じく、主人公達は様々なバックグラウンドを持っている。演出する俳優にはヨーロッパ系、アフリカ系、アジアからは韓国系がいるね。
 主人公達が、彼らにアート活動の場を与えている大企業の思惑に翻弄されながら、アーティストとしての自分の在り方に葛藤したり、自分達のルーツを守りつつ、カナダという異国へ順応していく過程を描いているんだ。

T
 トロントにぴったりの設定だね。日本人の俳優を使う予定は無いの? オファーをもらえば考えてみてもいいよ。 

A
 え?(笑)いやあ、予定は無いけど。じゃあ、次のドラマで…(笑)
 日本人はいないけど、主人公達はまさに君のようなアーティスト達なんだ。もともと、主人公達が若いアーティストという設定だから、セットにもトロントに住む若いアーティスト達の本物の作品を飾りたいと思ったんだ。アートはこのドラマで重要な役目を果たしている。だから、50人の候補者のうちから何人かのアーティストの作品を選ばせてもらったんだ。 

T
 なるほどね。そんな番組のセットに僕の作品が採用されたなんて光栄だよ。

A
 初めて君の作品をみた時、「このドラマにぴったりだ」と思ったね。モダンで都会的、ドラマのイメージにマッチしてるんだ。貸し出してくれた作品、全部を使いたいと思ってるよ。

T
 確か、15点ぐらい渡したと思うけど、全部?

A 
ああ。正直言って、君の作品は直したいところが1つもないぐらい、パーフェクトなんだ。
 僕は、君の作品に描かれている『光と影』が一番好きだね。特に、女の人がバーに座っている絵では女性の頬にはライトがあたり、バーカウンターのテーブルには影が伸びている。最高だと思ったよ。あと、渦をまいたタバコの煙も象徴的でいいね。
 今は一つのセットにしか配置してないけど、いづれ、主人公達が集まるコーヒーショップやバーに飾ろうと思ってるよ。全部で78話の収録を予定しているけど、そのうちのほとんどのエピソードに君の絵が登場すると思うよ。
 実は、僕もアーティストを目指していた若者の一人だったんだ。それだけ、アートに対しての思い入れもあるよ。正直言って、アートで生活していける君がうらやましいよ。

T
 実は、日本では新興のアートに対する理解度が低いんだ。一握りの、既に成功している芸術家に全ての賞賛が集中する。だから、若いアーティストはアートだけではなかなか食べていけない。たとえ才能があっても、アートは趣味となってしまうことが多いんだ。だから僕は日本を出て、ここに来た。自分の可能性に賭けるためにね。

A
 そうか。楽しみだな。これから君はどんな飛躍をするのかな。アート・ディレクターとして、僕が今回のドラマのセットに取り上げた全ての若いアーティストが、これから10年後、20年後にどれだけ大きくなっているのか、是非見届けたいね。

Yumi Nishio( Interview & Texts)
Kazu Maruyama (Photo Copyright)

bits July 07 - July 20 2004