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tomolennon(以下:T) 初めてテレビドラマのセットを見たけど、このセット、いいね。住みたいぐらいだよ。凄くよく造り込んであるね。
Andy(以下:A) そうだろ。何しろ、OMNIが7年振りに撮影するドラマなんだ。気合いの入り具合が違うよ。
T 7年の構想の末に作られた番組?(笑)じゃあ、ビッグヒット間違いなしだね。アートが番組のテーマになってると聞いたけど?
A このドラマでは、アーティストとしての成功を目指す、地元トロントの若者達が主人公なんだ。実際のトロントと同じく、主人公達は様々なバックグラウンドを持っている。演出する俳優にはヨーロッパ系、アフリカ系、アジアからは韓国系がいるね。
主人公達が、彼らにアート活動の場を与えている大企業の思惑に翻弄されながら、アーティストとしての自分の在り方に葛藤したり、自分達のルーツを守りつつ、カナダという異国へ順応していく過程を描いているんだ。
T トロントにぴったりの設定だね。日本人の俳優を使う予定は無いの? オファーをもらえば考えてみてもいいよ。
A え?(笑)いやあ、予定は無いけど。じゃあ、次のドラマで…(笑)
日本人はいないけど、主人公達はまさに君のようなアーティスト達なんだ。もともと、主人公達が若いアーティストという設定だから、セットにもトロントに住む若いアーティスト達の本物の作品を飾りたいと思ったんだ。アートはこのドラマで重要な役目を果たしている。だから、50人の候補者のうちから何人かのアーティストの作品を選ばせてもらったんだ。
T なるほどね。そんな番組のセットに僕の作品が採用されたなんて光栄だよ。
A 初めて君の作品をみた時、「このドラマにぴったりだ」と思ったね。モダンで都会的、ドラマのイメージにマッチしてるんだ。貸し出してくれた作品、全部を使いたいと思ってるよ。
T 確か、15点ぐらい渡したと思うけど、全部?
A ああ。正直言って、君の作品は直したいところが1つもないぐらい、パーフェクトなんだ。
僕は、君の作品に描かれている『光と影』が一番好きだね。特に、女の人がバーに座っている絵では女性の頬にはライトがあたり、バーカウンターのテーブルには影が伸びている。最高だと思ったよ。あと、渦をまいたタバコの煙も象徴的でいいね。
今は一つのセットにしか配置してないけど、いづれ、主人公達が集まるコーヒーショップやバーに飾ろうと思ってるよ。全部で78話の収録を予定しているけど、そのうちのほとんどのエピソードに君の絵が登場すると思うよ。
実は、僕もアーティストを目指していた若者の一人だったんだ。それだけ、アートに対しての思い入れもあるよ。正直言って、アートで生活していける君がうらやましいよ。
T 実は、日本では新興のアートに対する理解度が低いんだ。一握りの、既に成功している芸術家に全ての賞賛が集中する。だから、若いアーティストはアートだけではなかなか食べていけない。たとえ才能があっても、アートは趣味となってしまうことが多いんだ。だから僕は日本を出て、ここに来た。自分の可能性に賭けるためにね。
A そうか。楽しみだな。これから君はどんな飛躍をするのかな。アート・ディレクターとして、僕が今回のドラマのセットに取り上げた全ての若いアーティストが、これから10年後、20年後にどれだけ大きくなっているのか、是非見届けたいね。
Yumi
Nishio( Interview & Texts)
Kazu Maruyama (Photo Copyright)
bits
July 07 - July 20 2004
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